結論からお伝えします
親が介護中であっても、本人に意思能力(自分の行為の意味を理解する能力)がある限り、本人の同意のもとで実家を売却することは可能です。ただし、介護の程度や認知症の有無によって、必要な手続きが大きく異なります。また、売却後に影響を受ける税制上の特例や、介護費用への活用方法についても、事前に整理しておくことが重要です。
親が介護中であっても、本人に意思能力(自分の行為の意味を理解する能力)がある限り、本人の同意のもとで実家を売却することは可能です。ただし、介護の程度や認知症の有無によって、必要な手続きが大きく異なります。また、売却後に影響を受ける税制上の特例や、介護費用への活用方法についても、事前に整理しておくことが重要です。
## 意思能力の有無が、すべての分岐点
親が介護状態にあっても、判断能力が保たれていれば、本人が自分の意志で家を売ることができます。身体的に不自由であっても、意思能力とは無関係です。車椅子での生活でも、重篤な病気で入院中であっても、「この家を売りたい」という意思を自分で明確に示せるなら、売買契約を本人が結ぶことができます。
一方、認知症が進行して意思能力が失われている場合は、本人の代わりに契約を結ぶことができません。この場合は成年後見制度を利用する必要があります(詳しくは別記事「親が認知症でも実家は売れますか」をご参照ください)。
「意思能力があるかどうか」の判断が曖昧な場合は、医師の診断書を取得することが実務上の標準です。後からトラブルにならないよう、契約締結前に確認しておくことが安心につながります。
## 施設入所後の実家——売却のタイミングはいつがよいか
親が施設に入ったあと、実家が空き家になるケースは豊田市・岡崎市でも非常に多くあります。施設入所後の実家については、以下の3つの観点から売却タイミングを考える必要があります。
### 1. 3年以内の居住用財産特例
「居住用財産の3,000万円特別控除」という制度があります。これは、マイホーム(居住用財産)を売却した際に、譲渡益から最大3,000万円を控除できる特例です。
この特例を適用するためには、「住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日」までに売却する必要があります。つまり、施設に入所した日から3年以内に売却しなければ、この特例が使えなくなります。
施設入所から数年が経過している場合は、3年のカウントを確認することが最初の確認事項になります。
### 2. 空き家の維持コストと管理リスク
誰も住まない実家は、固定資産税・管理費・光熱費の基本料金などがかかり続けます。豊田市・岡崎市の一般的な戸建て住宅で、年間10〜20万円程度の維持費が発生するケースがほとんどです。加えて、空き家状態が続くと建物の劣化が加速し、雨漏りや外壁の傷みが出やすくなります。
管理の手間と費用を考えると、「売れる状態のうちに売る」という判断が合理的なケースが多いです。
### 3. 介護費用の財源として活用する
介護施設の費用(特別養護老人ホームで月6〜15万円、有料老人ホームで月15〜30万円以上が目安)は、長期になるほど大きな負担になります。実家の売却益をその財源に充てることは、現実的かつ合法的な選択肢です。
ただし、売却のタイミングと施設費用の発生タイミングを照らし合わせて計画する必要があります。「施設費が払えなくなってから売却を考える」では遅い場合もあります。
## 親の同意を得ながら進める際の注意点
親本人が意思決定をする場合、子どもが主導しすぎることで後からトラブルになるケースがあります。
特に注意が必要なのは、「本人は売りたくないのに、子どもの都合で進めてしまう」というケースです。本人の意思確認は丁寧に、複数回、状況が変わるたびに行うことをお勧めします。
また、複数の子どもがいる場合、親の同意だけでなく兄弟姉妹間での合意形成も同時に進めることで、後の紛争を防げます。
## 親が認知症になる前に考えておくべきこと
「まだ大丈夫」と思っているうちに、認知症が進行して選択肢が狭まることがあります。
親の意思能力があるうちに、以下のことを整理しておくことをお勧めします。
- 実家をどうしたいか(売る・貸す・子どもが住む)の意向確認 - 任意後見契約の検討(判断能力低下に備えて代理人を決めておく) - 居住用財産3,000万円控除の適用期限の把握
「話しにくい話題だから先送りにしている」という方は多いです。でも、判断能力のあるうちに方向性を決めておくことが、子どもにとっても親にとっても、最終的には大きな助けになります。
## 豊田市・岡崎市での実情
豊田市・岡崎市の郊外では、親が施設に入った後の実家が空き家になるケースが増えています。古い農家の建物や大きな敷地の物件など、売却に一定の時間がかかる物件も多いです。
こうした案件では、「今から動き始めて、どれくらいで売れるか」の見通しを早い段階で把握しておくことが重要です。地域の相場感と売却実績を持つエージェントが、個々の物件に合わせた現実的な見通しを示すことが、計画立案の第一歩になります。
私は豊田市・岡崎市を拠点に、介護・相続が絡む不動産案件を一人で担当しています。担当者が変わらず、最初から最後まで同じ人間が関わることで、状況の変化に柔軟に対応できる体制をとっています。
介護の状況を確認しながら進める売却の全手順を、豊田市で相続した不動産を売却する全手順・岡崎市で相続した不動産を売却する全手順に整理しています。